ふわふわとした見た目で人々に愛されているラッコは、多くの水族館で人気のある動物です。
1990年代には日本でラッコブームがあり、一時は122匹ものラッコが飼育されていました。
しかし、時間が経過するにつれて、ラッコを展示する水族館の数は減ってきています。
この記事では、日本でラッコを見ることができる2つの水族館について紹介し、ラッコの数が減っている理由や、将来的に水族館でラッコを見られなくなるかもしれない問題に迫ります。
ラッコに関心のある方は、ぜひこの情報をチェックしてください。
日本でラッコを観察できるのは限られた場所だけ
現在、ラッコは絶滅のリスクに瀕しています。
2024年4月現在で、日本においてラッコを観察できるのは福岡県と三重県の2箇所だけで、飼育されているラッコは合計で3匹です。
特に、東日本には東京を含めラッコを展示している水族館はありません。
この記事では、そんな貴重なラッコがいる水族館を紹介します。
福岡のマリンワールド海の中道
福岡市東区にあるマリンワールド海の中道は九州最大級の水槽を誇る水族館で、迫力のあるイルカショーで知られています。
ここでは、和歌山県から来たオスのラッコ「リロ」が飼育されています。
リロは穏やかな性格で、特に「ラッコのお食事タイム」では、その食事の仕方が人気を集めています。
三重の鳥羽水族館
三重県鳥羽市に位置する鳥羽水族館は、日本でも有数の歴史を持つ水族館です。
ここではメスのラッコ「メイ」と「キラ」がいます。
メイは国内で初めてラッコの赤ちゃんとして生まれ、キラは2018年に和歌山県から移ってきました。
鳥羽水族館では、ラッコが石を使って貝を割る様子を見ることができますが、福岡のマリンワールドではガラスを傷つけないようにイカを餌としています。
ラッコがおもちゃで遊んだり、飼育員と触れ合う姿も見ることができます。
水族館でのラッコの希少性の背景
この部分では、水族館でラッコの数が減っている理由を説明します。
保護種であり、輸入にも制約がある
ラッコの野生の個体数は、過剰な狩猟や石油の流出、気候変動のために減少しています。
ラッコは保護された種であり、国際条約により取引が厳しく制限されているため、水族館への新たな導入は難しくなっています。
繁殖の困難さと高い死亡率
ラッコの繁殖は困難で、老齢や病気による死が多いです。
妊娠期間は約6ヶ月で、通常は一度に1匹だけ生まれます。
水族館ではラッコの人工繁殖に挑戦していますが、成功率は低いです。
警戒心が強く、ストレスを感じやすい
ラッコは元々警戒心が強く、ストレスを感じやすい性質を持っています。
水族館内には自然界の天敵はいませんが、人間や他の動物、騒音などがラッコにストレスを与えることがあります。
水族館ではラッコのストレスを減らすために努力していますが、すべてのラッコが水族館の環境に適応できるわけではありません。
水族館のラッコが姿を消す日が来るのか?
水族館でラッコを見るチャンスがなくなる可能性は高いと言えます。
2024年4月現在、福岡のマリンワールド海の中道にいるリロは17歳、三重県の鳥羽水族館にいるメイは19歳、キラは15歳で、これらのラッコは高齢です。
ラッコの飼育下での平均寿命が20歳前後であることを踏まえると、これらの個体の繁殖は期待できないでしょう。
ラッコの主な生息地は現在、日本では北海道ですが、具体的な個体数は明らかになっていません。
北海道ではラッコを観察するツアーが開催されており、自然の中でラッコを見ることができます。
特に北海道の東部、霧多布岬は野生のラッコを見ることができる場所として知られています。
霧多布岬でラッコを見たいと考えているなら、「ゲストハウス・えとぴりか村」での宿泊がおすすめです。
最終的に
日本でラッコが観察できるのは福岡のマリンワールド海の中道と三重県の鳥羽水族館だけで、現在は合計で3匹しかいません。
このような状況が続けば、いずれ日本の水族館でラッコを見ることができなくなるかもしれません。
ラッコを間近に見たいと思っているなら、できるだけ早くこれらの水族館に行くことをお勧めします。