日常や仕事で他人に待ってもらう必要が生じることは珍しくありません。
そのような時、どのように伝えれば良いのか迷うことがあると思います。
ビジネスの場では、「少々お待ちください」や「少しの間、お待ちいただけますか?」といった表現が頻繁に使われますが、敬語を正しく使うことに自信がない人も多いかもしれません。
人を待たせることは日常的に起こりますが、それをどう受け止めるかは人それぞれです。
言葉遣いに敏感な人や、待つという行為の意味をしっかりと理解している人もいます。
ビジネスでは、適切な言葉遣いが特に求められます。
この記事では、ビジネスコミュニケーションでの待ち時間をお願いする際に使う敬語や謙譲語の正しい使い方について詳しく説明します。
「待つ」の伝達における主体の違い
「待つ」と伝える際には、話す人が主導権を握っているのか、それとも相手が中心なのかによって、表現が変わります。
話す人が行動を促すケース
★友人に「待って」と言う場合、自分が行動を求めています。つまり、自分のタイミングで待ってもらうことになります。
★ビジネスでは「お待ちいただけますか」と尋ねる際も、同様に自分が主体です。
「お待ちいただけますか」は
「待つ」+「いただく」=「待って欲しい」という要望を示しており、自分が行動を促していることを意味します。
これは自分が行動を促しながらも敬意を示しているため、謙譲語とされます。
自分が相手に何かをしてもらう場合=謙譲語
相手が行動を促すケース
★来客に待ってもらう時、主体は来客者です。
★ビジネスで「もうしばらくお待ちください」と伝える場合、
「待つ」+「ください」=「待ってもらえますか?」と相手に依頼しています。
したがって、主体は相手です。
この場合、相手が主導権を持ち、待機時間を許可する形になり、これが尊敬語となります。
相手が行動を取る場合=尊敬語
丁寧な待機依頼の方法
丁寧に待機を依頼するには、
・もうしばらくお待ちください
・少々お待ちいただけますか
・もう少し時間をいただけますでしょうか
・しばらくお時間をいただければ幸いです
などの表現が適しています。
ただし、過度に丁寧な言い回しは不自然に感じられることもあります。
発話者が依頼する際の丁寧な表現
「もうしばらくお待ちいただけますでしょうか」は、謙譲語として非常に適切な表現です。
どう言えば良いか迷ったら、「もうしばらくお待ちいただけますでしょうか」を使うと良いでしょう。
相手に許可を求める際の丁寧な表現
「恐れ入りますが、もうしばらくお待ちいただけますか」と依頼する方法があります。
「恐れ入りますが」という前置きを入れると、より丁寧な印象を与えます。
まとめ
日本語は細かなニュアンスで多様な表現が可能ですが、その分複雑に感じることもあります。
言葉が完全でなくても、意図が伝わることが大切で、それによって円滑なコミュニケーションが行えます。
言葉選びで迷う時は、今回示したように、フレーズを分解して、誰が主体であるかを考えてみると、その意味がはっきりすることがあります。
たとえば、「お待ちください」は、
「待つこと」を「お願いする」
=「相手が主体」
と解釈できます。
このような方法は、他の表現にも適用できるため、ぜひ試してみてください。